病気について―消化器科

胃腸の病気

逆流性食道炎

症状は「むねやけ」です。時に「胸痛」もあります。狭心症との判別が大切です。
症状は、食後2・3時間で生じるタイプと、夜中あるいは明け方「むねやけ」や「胸痛」で目が覚めるタイプがあります。
食生活に気をつける事。内服薬もよく効きます。

大腸がんと大腸ポリープ

食生活の変化に関係するようですが、大腸癌は増えてきています。
地方自治体などでも、住民検診に、便潜血反応の検査を採用したりして、早期発見に努めています。 当院でも、検診で便潜血反応陽性になったひとの大腸内視鏡検査をしていますが、20人に1人癌が見つかります。4人くらい、切除を必要とするポリ-プがあります。

大腸癌の症状は、便通異常や、腹痛、血便であったりしますが、それでは遅いことがあります。症状の出る前に検査で見つけたい。便潜血反応は敏感です。もっとも、大腸癌は比較的おとなしい癌ですので、症状が出てからでもあきらめることはありません。

大腸ポリ-プは、大腸の内腔から小さく隆起しているものの総称で、早期の大腸癌や良性の腫瘍(腺腫と呼びます)や、腫瘍でないもの(炎症性ポリ-プとか過形成性ポリ-プと呼ばれる自然に消えていくもの)をふくみます。前二者は切除しなければなりません。腺腫は多くの場合、入院なしで切除できます。

ピロリ菌と胃がん

ピロリ菌は乳児期に井戸水などから感染し胃に住みついています。
日本の多くの高齢者はピロリ菌を持っています。

ピロリ菌に感染している場合、100人中3人の割合で胃癌にかかり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍にもかかりやすいというリスクがあります。乳児期からピロリ菌が居ない人は胃癌になりにくく、若いうちに除菌をすると胃癌発生のリスクが減るだけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍にもなりにくくなります。また、胃の不調が改善する効果もあります。

除菌の方法

1週間抗生物質を服用します。その成功率は90%です。残りの10%の人はまた別の抗生物質を服用します。それでも除菌しきれない人もわずかにあります。

除菌の副作用

  1. 3人に1人下痢をします。たいていは軟便になる程度です。少々の下痢では薬の服用を止めないでください。中止すると、除菌できません。
  2. まれに肝障害を起こすことがあります。体がだるくなったり、食欲がなくなったりしたら外来を受診してください。
  3. 時々薬疹が出ます。薬疹はまれに、重篤になることがありますので外来を受診してください。
  4. しばしば味覚がおかしくなりますが、薬の服用が終わると少しずつ回復します。

除菌できたら

癌にならなくなると安心しないで下さい。特に高齢での除菌は癌の抑制効果は少ない。
年1回の胃内視鏡検査を忘れないで下さい。
胃は元気になり胃酸は強くなります。そのため、逆流性食道炎が生じることがあります。

以上のようにご説明しています。ピロリ菌と胃がんは、大変関係深いものなのです。

肛門の病気

痔ろう

肛門に入って直ぐの所にある肛門腺の感染症です。はじめは、肛門周囲膿瘍と言って、肛門の近くに膿がたまり、腫れて痛くなります。時に熱もでます。それが自然に破れたり、病院で切開して膿を出して、いったん治まります。そして痔瘻ができあがります。しかし病気の元となった肛門腺(原発巣)を取ってしまわなければいつか再発すると考えてください。再発が1か月後か、はたまた10年後か。急いで原発巣を取る手術をしなければならないわけではありませんが、私は原則として手術をしています。痔瘻の出来た位置によって、手術の仕方がいろいろあります。

きれ痔

文字どおり、きれる痔です。硬い便が出たとき肛門が裂けて痛い。皆さんは出血すると、きれ痔と思っておられるかもしれませんが、きれ痔は必ずしも出血は伴わない。排便時痛いのです。痛くなくて出血すればそれは、いぼ痔です。

きれ痔は、肛門括約筋の緊張が強い若い人に起こり易い。年を取って、緊張が緩くなると、きれ痔にはなりにくくなるのです。

治療は、先ず、便通を硬からず軟らかすぎず、に整えることです。下痢便もよくないのです。下痢をきっかけとして、きれ痔ができることもあります。便通を良くして、外用薬を使えばたいてい良くなります。どうしても良くならなければ手術を考慮しますが、手術は肛門の括約筋の一部を切って緊張を緩めるという事をするのです。

ひとは年を取ると肛門の締まりは悪くなり、便がもれたりします。折角締まりの良い肛門を持っているのに、それをわざわざ切って緩めることはないと私は思っています。できるだけ切らずに直します。

 

いぼ痔

いぼ痔の症状は出血です。脱出したり、血栓を作ったりすると痛みを伴います。

いぼ痔は肛門の静脈のうっ血したものです。すべての人はこの静脈を持っていますから、皆、いぼ痔になりうるのです。 うっ血の原因で多いのは、便秘や下痢。アルコ-ルや刺激物。座る時間の長い仕事。タクシ-の運転手さん等。腹圧をかけると悪くなり易いようです。重いものを持つ仕事。以前オペラ歌手の方もおられました。発声にかなり腹圧をかけるそうです。

治療は原則、外用薬を使います。軽ければ効きます。効きが悪ければジオンという注射を使います。これもよく効きます。しかもあまり痛くない。仕事も殆ど休まなくてよい。しかし何年かすると又症状が出てきます。その時は注射を繰り返しますが、それでもだめなら切除手術をします。切除手術をすると痔核は無くなるのですが、痔に悪い生活をしていると、5年10年もすると又、新たな静脈が腫れてきて出血したりします。痔に完治は無いのです。

私の治療原則は、遅め遅めに、です。ただしジオン注射はあまり遅くなって痔がひどくなると効きにくい。結局、遅からず早からず、です。

その他の内科の病気

私が得意にしている病気ではなく、私でもなんとか治療できそうな病気

感冒・花粉症・高脂血症・高尿酸血症・軽度の高血圧症

軽度の鉄欠乏性貧血・甲状腺機能低下症で落ち着いているひと

腹痛・下痢・便秘・嘔吐・血便、これらは消化器科の病気で私の守備範囲。

いちど、医師にご相談ください

       

井上・神田クリニックは、患者様のプライバシーに配慮した診療を行っています

       

井上・神田クリニックに電話する> 072-625-3351